黒いドレス

ハリウッドの大物プロデューサー、ワインスタイン氏へのセクハラ告発に端を発し、
被害を受けた人たちが声をあげる「#MeToo」キャンペーン。

女優陣が黒いドレスでセクハラへの抗議と連帯を表明したゴールデングローブ賞。

セクハラなどの性暴力を告発する「#MeToo」のムーブメントは行き過ぎで
「全体主義の風潮を作り出している」と批判する書簡を1月9日、ル・モンド紙に寄稿した
カトリーヌ・ドヌーヴらフランス人女性100人。


今世界ではそういうことが取りざたされているのだそうだが、
日本では相変わらず、誰が不倫したとかしないとか追いつめたり追いつめられたり
しているのだろうか。


男も女も黒い衣裳に身を包み、興奮気味に立場を表明するハリウッドスターたちは
時流に置いていかれないように、人から後ろ指さされないように、
必死になっているようで、まさに全体主義だと薄ら寒く感じたのは事実だ。

性を提供しないと仕事がもらえない、有名になれない、食っていけない、
敗北者になる、そういう世界は明らかに間違っている。
が、性を餌に、色仕掛けで仕事や名声を勝ち得た人間もいないわけではないだろう。

わかっていてやるのは問題なくて、強要するのが悪いのか?
弱者に性の提供を強要するのは先史以来ずっと人間がしてきたことだ。
今更何を言っているのか?
もうここら辺で反省して、そういうことはやめにしよう、と言っているのか?



そういうことをおおっぴらに口にしていいなら、
大方の人間は言いたいことがたくさんあるだろう。
いや、女だけじゃなく、男も。
モヤモヤして何がイヤで何が心にひっかかって、
どうしたいんだか、どうしてほしいんだか、
うまく表現できないのが、性に関する問題なんだ。

ちくしょう!あの時「NO」と言えたら良かったのに、
という心のトゲがいつまでも消えないのが性の問題なんだ。


それは黒いドレスを着た全体主義のお祭り騒ぎで解決できるものではない。
カトリーヌ・ドヌーヴは大人だと思った。


年末(というか、年を越していたから、年始)の「おもしろ荘」で、
ブルゾンちえみが新ネタで「女のイヤはいやじゃない」とやっていたが、
最低!だと思った。

綾瀬はるかが「本当に嫌な時もありますよね」と言ったが、みんなスルーした。
そんなもんなんだよ。世の中は。


「NO」の時に「NO」と言える人は実はとても強い人なんだ、ってこと。
わかる?


又々 金色夜叉

読売新聞連載の橋本治氏による金色夜叉の翻案「黄金夜会」は
毎日粛々と、少しずつ話しが進んでいく。

そこでは確実に誠実に現代に生きる若者が生きながら生きることに苦悩する様が
ゆったりくっきりと描き出される。

だけれども、そこには原作のまがまがしさはなく、
きっとこのまま、最後まで夜叉らしい夜叉などに変身しないのではないか、
と思わせる。

どうなんだろう。

黄金夜会。。




根っからの悪人は存在しないし、誰でも、たとえ盗人でも、
良心や温もりを求める心は持っているのかもしれない。


けれど、悪人の中に善き心を斟酌するのは、(私の趣味から言うと)面白くはない。
原本のまがまがしさの方がよっぽど面白いんだけど・・・。


登場人物全て悪人という作品があったら、見てみたい。

正月早々心根のよろしくない私ですまない。WWW


又 金色夜叉 

ある小説講座の講師が言ったことだが、
ベストセラー小説(つまり万人ウケする小説)というのは、
主人公の成長物語である、と。
主人公の前に立ちはだかる壁は高ければ高い程良く、
何回も何回もこれでもかと困難が立ちはだかり、
それを乗り越えて行くという所に、人は共感するのだと。

基本的に善人で人々の共感を集めやすい人間が困難に立ち向かうところに
更なる共感を呼ぶ、ということだろう。

NHKの朝ドラなどはまさにそういう作りで、
毎朝全国のお茶の間で、多くの日本国民が
ヒロインの成長に一喜一憂して声援を送っている。

わたしなど、おへそがどこかを向いているので、
それのどこが面白いのか、全くわからない。

人畜無害の良い人間の教科書通りの言動の、どこに共感したらいいのか?
予定調和の物語の、どこにドキドキしたらいいのか?

そういうヒットの方程式にあてはめて書かれたお話しの裏で、
うまく書けたとほくそえむ作者の顔が透けて見えて、
興をそがれることこの上ない。


そもそも、物語の主人公がいい人間である必然がどこにあるのか?
あなたのまわりの人間や、あなた自身は、「いい人間」ですか?
人様に迷惑をかけないように、
法に触れないように生きているつもりでも、
あなたは万人にとっていい人間であるわけはない。
あなたの善は他人の悪かもしれない。


黄金夜会。



さて、前回の記事の「黄金夜会」である。
尾崎紅葉の、最低のクズばかり登場して、読み進めるのもイライラする「金色夜叉」が
橋本治氏によって、オシャレに様変わりしている。
貫一と宮も現代に生きるオシャレな若者で、
彼らの生きる姿に少なくともある種の共感を呼ぶ意味付けがなされる。
そうして誰もがクズでもなく悪人でもなくなってゆく。


それが面白いか、真実なのかは、はなはだ疑問だ。



金色夜叉

黄金夜会


昨年末から読売新聞朝刊で橋本治氏の連載小説「黄金夜会」が始まった。
明治30年から同じ読売新聞に連載された尾崎紅葉の「金色夜叉」の翻案である。

読売プレミアム 黄金夜会


「金色夜叉」と言えば、熱海の海岸で一高生の貫一が
富豪の富山になびいた許嫁のお宮に激昂して、足蹴にする場面で有名だろう。
「・・・可いか、宮さん、一月の十七日だ。来年の今月今夜になつたならば、
 僕の涙で必ず月は曇らして見せるから・・・・・」
貫一のこの台詞は、熱海の銅像とともに、前後の関連なしにも有名なのではないか。


この「金色夜叉」を原文でも現代語訳でも、実際にじっくり読んだことがある人は、
そう多くはないのではないだろうか。

金色夜叉 青空文庫

社会学しよう 金色夜叉 あらすじ

地の文が文語体、台詞が口語という雅俗折衷の文体で、読みづらく、
読んでいてイライラする。
が、それ以上に登場人物の性格がどいつもこいつも「クズ」でいらいらする。
そういう評判は元々あって、それぞれが何でそんな行動をするのか意味不明すぎて、
読まれなくなった面も大きいと思う。
筋だけ追っていけば想像を越えたとんでもない話しで、これのどこがいいんだ?
とむかつくばかりだ。

なぜか?
「金権主義に対比させられている恋愛という主題」はまあわかるとして
各人の行動の心理的理由が明確でないからだ。

何故宮は貫一を裏切った?
何故貫一は意固地な人生を送った?
富山は宮をどう思っていたのか?
美人高利貸し満江、って頭おかしいんじゃないの?
え、何この結末、まじ?


つまり筋立ては面白いけれど穴だらけの原本を
橋本流に自由に味付けしてやろうという試みなのだろう。
それは書く方にはおもしろいだろう。
「金色夜叉」ではなんともつかみかねる性格や動機が自由に方向付けられるのだもの。


うーん、ずるいぞ。

謹賀新年


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続 月形半平太 

「月形半平太」は何しろ「春雨じゃ濡れていこう」しか思い浮かばないので、
まず、DVDを見ることにした。

月形半平太DVD

1956年公開大映映画「月形半平太 花の巻 嵐の巻」である。
監督は衣笠貞之、主演長谷川一夫、お相手は山本富士子。

いやいや、全くイメージと違う。
漠然と想像していたヤワイ映画ではなく、
尊王攘夷だとか佐幕だとか、切ったりはったり、男っぽいというか、
シチメンドクサイお話しでした。(女優陣は皆妙に色っぽいが)

芝居にすると全4幕、DVDでも108分の内容を、
ギュッと15分に縮めた台本がPCに届いてまたびっくり。
ほとんど全篇言い合いか切り合いをしている。

殺陣が大変だ、と師匠が言っていたのはこれか!

「月さま雨が」
「春雨じゃ濡れて参ろう」

も、恋の道行きというわけではない。


月形半平太

ええっ!そうなのぉ?


私は祇園の茶屋の女将で「祇園小唄」の弾き唄い。
こんな感じの着物を着てね、との指示。


一文字屋お才

祇園の茶屋の女将ってこんな感じらしい。
粋ではあるけど、はんなりはしていないのね。



無鉄砲で傍若無人な出演者たちの
うろ覚えの台詞とむちゃくちゃな殺陣で、
とんでもない舞台になるであろうことは明白!


はははは、楽しみ。



Merry Christmas!


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月形半平太

緯度にして沖縄あたりのニューオリンズと、仙台あたりのワシントンD.C.
北海道あたりのニューヨークをまわってきて、
東京のうちのすきま風が一番寒くて風邪をひいたという・・・。


鼻水ズルズルで久しぶりの義太夫の稽古に行くと、
来年の新年会(おさらい会)での余興が決まっていました。

ははは!「月形半平太」
今まで、「国定忠次」「番場の忠太郎」「白浪五人男」等、
いずれも大笑いの大当たりでしたが、今回は新たな挑戦で「月形半平太」


「月さん、雨が・・」
「春雨じゃ、濡れていこう」

舞妓の雛菊と月形半平太のこの台詞くらいの前知識しかなく、
はあ〜、としか返事のしようがなかったのですが、
調べてみるとかつての新国劇の看板ともいえるこの芝居は、
幕末の長州藩士月形半平太と彼を取り巻く志士たちの
激動の物語だったのですね、びっくり。


師匠から役を振られ、私は雛菊が「祇園小唄」を舞い踊る時の、
弾き唄いのお役。え、まじ?これから「祇園小唄」の稽古?
で、譜面の注文をしてYouTubeで下調べ。

祇園小唄


こうなるわけです。
一通り唄って、「月さんがみえましたよ」と雛菊に伝えて終わります。

雛菊役は義太夫の三味線弾き、「え〜!私おどるんですか〜!!」
芸妓役に義太夫の太夫さん、顔芸?
桂小五郎は女医さん、背が高いから。
西郷さんには茨城の歯医者さん、太ってでかいから。
等々、

いやはやどうなることやら。

楽しみです。

本物に出会えたよ  その4



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本物に出会えたよ  その3



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